絶望と絶望の交錯。
避けていたわけではないのですが、
初めて読んだ、沢木耕太郎です。
中心となる話の舞台は昭和30年頃。
(映画「三丁目の夕日」と同じです)
右翼も左翼も普通の人達も、
国民の力で政治を変えることができる、
みんなが声をあげ、合わせれば、
国をもっと良い方向に変えられると信じていた時代の物語。
口先だけでの右翼に絶望した少年が
日本が赤化することを自らの行動で防ごうと、
当時の社会党委員長を演説会の壇上で刺殺します。
その瞬間が交錯するまでの、ふたりの人生をていねいにたどり、
さらにはそれ以後の事件の余波にも書き記します。
「彼らはなんだったのか」、
「あの時代はどんな空気が流れていたのか」。
読んでいるときに、ずっとそんなことを頭の中で追っかけてました。
しかし、あんな時代はこないでしょうね。
いや、来るか。世の中が絶望へと向かっているからな。



