2007年03月15日

ひとりから始まる。T 三橋規宏編 海象社

それは、一人の人の力から。

http://item.rakuten.co.jp/book/1622112/

仕事の関係で環境問題について
いろいろと知ったり、調べたりすることが多く、
その縁でこの本を読みました。

内容は、環境問題や資源問題、貧困問題など、
さまざまな問題や地域に対して、
「行動」をおこした9人の人のお話です(+2人の方のお話)。

リサイクルショップでの収入でカンボジアに学校を建て、
さらにフェアトレードまで考えた収入につながる産業を作る人。
他の地域に依存するのではなく、
都会に降る雨水という水資源を有効利用することを推進する人。
ニカラグアの飢餓を農業を起こすことでの解決を進める人。
菜の花によって資源循環型のシステムをつくろうとする人。

なぜ、その事をしようと思ったのか、
なぜ、行動しているのか、
行動がどう広がって行ったのか。

手段や思いはさまざまですが、思いはひとつ。
「じぶんが始ることで、他の人も始めてくれる」。

それがこの本のタイトルにもなっています。

実は、環境問題の解決については、僕はずっと懐疑的です。
環境問題の根源にあるのは、
「人間が豊かになりたい」という欲望の気持ちだと
思っています。

例えば、植物由来のガソリンが話題になっていますが、
その原料が必要になればなるほど、
その原料となる作物をつくるために、
南米にある熱帯雨林が切開かれ、畑へと変わります。

東南アジアのマングローブが続々となくなっているのは、
その木をお金に換え、その木の後にエビを養殖するためです。
(木は格安の薪炭となり、日本人はBBQに使っています。
エビは値段そのままで増量冷凍エビピラフになっています)

そこにあるのは、
儲けたい、儲けていい暮らしがしたいという気持ち。

それだけではありません。

アフリカのある国の人は、その日の食べ物を買うために、
身近な木を切り倒し、お金や食べ物に換えます。
それは、先に書いた「儲ける」ではなく、
「生きたい」という気持ちです。
それを「温暖化を招くから、だめ」と止める権利は、
我々にはありません。

さらに、
その人達に対する援助の仕方も多くの問題をはらんでいます。

食糧支援で「とうもろこし」を送ると、
その地域の人々はそれまで食べていた物をやめ、
「とうもろこし」を待つようになります。
なぜなら「とうもろこし」の方が美味しいからです。

古着などの衣類を支援します。
すると、みんなその衣類を着たいと、
その国で作られた衣服を買わなくなります。
なぜなら、送られた「衣服」のほうが、
ロゴとか付いて格好いいからです。
せっかく、その地域の働き口のためにつくった
衣料産業が立ち行かなくなります。

豊かになりたい、いい暮らしがしたい。
それは人間として生まれてきて誰もが持つ、当たり前の感情。
「自分はいいけど、他人はだめ」とそのことの否定することは、
だれにもできないでしよう。

今は、上記のような支援は改められてきていますが、
施しに近い援助には、多くの問題がはらんでいることを、
多くの人は知りません。

そんな背景を知ったうえで、じぶんは何をすべきか。

この本はそんなことをもう一度考える、
いい機会となる本だと思います。

(僕は僕のできることをします)
posted by リュウジ at 19:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 読了本 ドキュメント/ルポ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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